高速料金 政府、上限制度見直しを検討へ 小沢氏の指摘で(毎日新聞)

 政府・民主党は21日、鳩山由紀夫首相や小沢一郎幹事長らによる首脳会議を首相官邸で開き、国土交通省が今年6月から導入すると発表した高速道路の新たな上限料金制度について、見直しを検討することで一致した。小沢氏が「一部値上がりしているのはおかしい」と指摘し、首相も「引き取らせてもらう」と受け入れた。政府がいったん公表した新料金制度を事実上撤回する方向になったことで、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に続き「決められない政権」の混迷ぶりと求心力低下があらわになった。

【上限料金制って?】高速道路:上限料金制度を正式発表 割引廃止で実質値上げ

 実質値上げとなる新料金制度には参院選への悪影響を懸念する党内から異論が出ていたが、問題が鳩山首相と小沢幹事長が出席する首脳会議の場までもつれこんだ背景には小沢氏の強い意向がある。

 小沢氏は会議で「いままで民主党が言ってきた高速道路無料化という概念に新料金制度は入るのか」と指摘し、新料金制度が09年衆院選の政権公約(マニフェスト)で掲げた「高速道路無料化」に違反すると突きつけた。平野博文官房長官は会議後、記者団に「ごろっと変えることはありえない」と強調する一方で「(新料金制度が)民主党が主張してきたことにあっているのか、もう一度検証させる」と述べ、基本的に小沢氏の考えに沿って見直す考えを示唆した。22日にも国交省に再検討を指示する。

 新料金制度を巡っては、最大3割引きなど手厚い現行割引の継続を求めるトラック業界や、流通コスト増大でダメージを受ける地方からの反発が強い。民主党トラック議連事務局長の石井章衆院議員は15日、国会内で小沢氏と会った際、全国の運送業者などから苦情が多数寄せられていることなどを伝えた。小沢氏は「もう一回、精査しないといかんな」と述べたという。

 小沢氏は21日午前、山岡賢次国対委員長から「(マニフェストでは)無料化のはずが、値上げになるのは納得できないという意見が党内に多い」との報告を受け、首脳会議前に国会内で馬淵澄夫副国交相と会った際には「複雑で分かりにくい」と新料金制度を批判したという。

 しかし、そもそも新料金制度が実質値上げになったのは、小沢氏が昨年末の政府への党の要望で、国が料金割引用として道路会社に支援している財源(08年度から10年間で計約3兆円)を道路建設に転用するよう求めたためだ。当初、前原誠司国交相は反発したが、結局、割引財源を東京外郭環状道路などの道路建設費(約1・4兆円)に回せるようにする道路財政特別措置法案を提出、割引に使える財源は約半分に減ることになる。

 こうした事態に、民主党の川内博史・衆院国土交通委員長が公然と反発。法案審議が進まない異常事態になっている。川内氏は「(昨年の党要望で)小沢氏は、地方の不採算道路の建設、1000億円程度に財源を回せと言っただけで、国交省はやりすぎだ」と指摘し、財源が地方だけではなく外環など都市部の道路建設に充てられることを批判する。

 しかし、政府がいったん公表した制度を「選挙優先」で修正すれば、政権の無定見ぶりがあらわになり、内閣支持率の低迷に拍車がかかる可能性もある。【大場伸也】

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